[水墨画の描き方]初心者でも簡単!干支の画を筆ペンでも描いてみよう

こんにちは
水墨画家のCHIKAです。

年末年始になると
思い出すのが十二支の話
ではないでしょうか?

昨今は年賀状を
書く人が少なくなりましたが、
自分の干支を気にする方は
結構いらっしゃるはず。

年賀状に限らず
「サラッと描いて
近況を知らせようかな」

そう思った時は是非、
筆を取って描いてみてください。

ハガキ、筆、墨
さえあればOK👍

筆は筆ペンでもやってみましょう

今回は十二支のお話しと共に
子から亥までを
“ハガキに描いてみよう”編です。

目次

[水墨画の描き方]十干と十二支


まずは干支のお話から。

日本では干支といえば
十二支のことのみ
指す言葉となっています。

十干とは根幹のことで、
甲・乙・丙・丁・戊・
己・庚・辛・壬・癸の十種類

十二支は枝葉を意味します。
子・丑・寅・卯・辰・巳・
午・未・申・酉・戌・亥

この十干と十二支を
組み合わせると六十になり、
六十年で一巡することになります。

還暦祝い』をするのは
一巡するまで長生きした、
ということなのですね。

中国ではこの十干十二支の
始まりがなんと
殷(商)の時代にまで遡ります。

「陰陽五行説」と結びつき、
月日や時間、方位、占いの
吉凶を表すのに便利だ
ということで
使われていました。

十二支に動物の名前が
付いているのは、
文字の読めない人にも
わかりやすくするため
だったとされています。

[水墨画の描き方]十二支のお話し


日本に伝わっている十二支は
1年12か月の順番を
表すために12種の
親しみやすい動物と
結びついて民話としても
続いています。

そのお話しのあらすじです。

むかしむかし、ある年の暮れに
神様が動物たちに言いました。

「元日の朝、1番から12番目に
新年の挨拶に来た者を順番に
一年ごと動物の大将と
することにしよう」

歩くのが遅い牛は、
夜のうちから支度をして
まだ暗いうちから出発しました。

その様子を見ていたねずみは、
こっそり牛の背中に飛び乗りました。

そして牛は元日の朝1番に
神様の家に到着しました。

牛を迎え入れようと門が開くと、
牛の背中から飛び降りたねずみが
走って1番になってしまいました。

結果牛が2番、そこから虎、兎、龍、
蛇、馬、羊、猿、鶏、犬、猪
という順番になったということです。

猫は挨拶に行く日を忘れてしまい、
ねずみに嘘の日を教えられて、
参加することが出来ませんでした。

それだから今でもねずみを恨んで
追い掛け回しています。

[水墨画の描き方]ハガキに描く


それではハガキに
描いてみましょう。
まずはハガキ選びです。

裏面の通信欄に
和紙が貼り付けてあり、
少し厚めのものが
描きやすいでしょう。

◎ 水墨画練習用ハガキ(画宣)
「少し練習してから」という方向けです。
初心者向けといっても発色も良く、
適度に滲みがあり厚みもあるので
練習用には最適だと思います。

◎ 水墨画用他の画仙紙
100均のはがきにアイロンで
接着出来る和紙
描いてから貼り付けます。

試しに貼り付けたあとにも
描いてみましたが、
水をそれほど含ませなければ
変わらず描けます。

◎ 水墨画用他の手漉き
慣れないと描きにくいかも
しれませんが、滲みも濃淡も
独特の味が出ます。

越前和紙と聞くと
本格的なイメージも
あるかもしれませんが、
初心者でも描きやすく、
墨や顔彩の発色が良いので
色を使って描きたくなる
かもしれませんね。

多少でも滲みがある紙の場合、
「失敗したな!」と
すぐに諦めないでくださいね。

乾くまでの変化で
不思議と素敵な味が
出てくるものなので!
過程も楽しんじゃいましょう。

このマルマンのシリーズには
因州和紙、本画宣(紅星牌)など
様々な種類があります。

少しずつ滲みに慣れてくると
逆に滲みがないと
物足りなく感じることも
きっと体験されると思います。

そうなればしめたものです(笑)

年賀ハガキに描く場合は
普通紙用を選びましょう。

[水墨画の描き方]筆と墨で描く


筆は付立筆削用筆

なるべく細い筆の方が
描きやすいかもしれません。
水墨画用の筆になると
水の含みが良すぎるためです。

墨は好みで青墨か茶墨

裏打ちの必要がないので、
好みで墨汁でもOK👍
こちらの記事も参考に
⇩  ⇩  ⇩

水墨画を気軽に始めるには|初心者はまずこの道具を揃えよう

[水墨画の描き方]色を使う場合

年賀状であれば色を使って
華やかに表現したいですよね。

水墨画でよく使われるのは顔彩です。
固形のものとチューブのものがあります。

どちらも水で溶いて使います。
初心者の方にも
使いやすい絵具です。

[水墨画の描き方]筆ペンで描く


筆ペンでも水墨画らしい
作品を描くことが出来ます。

今回いくつか筆ペンで
描いてみました。

なるほどいつもの
鉛筆やペンの描き方で
水墨画らしく描けます。

穂先もまとまっているので
安心して使えますね。

筆へのプレッシャーが
和らいで良い導入画材に
なりそうです。

ハガキは和紙ではなく
普通紙のほうが
水分の吸い込みが鈍くて
描きやすいでしょう。

[水墨画の描き方]準備するもの

・筆ペン

・筆(削用筆か付立筆)

・水

・ハガキ
(水分の吸込みが鈍いもの)

筆ペンは筆と違って
水を含ませる
ことが出来ません。

滲ませたい場合は、
別に筆を用意して
筆に水だけを含ませます。

[水墨画の描き方]筆ペンで描く

  1. ハガキの通信面に
    軽く下書きをする
  2. 筆ペンを使って
    線描きする
  3. 別に用意した筆に
    水だけを含ませて
    滲ませたい箇所に
    薄く塗っておく
  4. それが乾かないうちに
    筆ペンでポンポンと
    置くように数回落とす。
  5. 先ほどの水を含ませた筆で
    上手く濃淡が出るように
    滲ませます。




もっと水墨画風に
試してみたい方には
こちらの本も参考に
なるのではないでしょうか ⇩⇩

[水墨画の描き方]子から亥まで


それでは子から亥まで
どんな特徴があって
どんな年なのかを見ながら
良い年になりますように
願いを込めて描いてみましょう。

[水墨画の描き方]ネズミを描く


子年とはどんな年なのでしょう?
子年の人の特徴は?

[水墨画の描き方]子年に込める

子年は12支の始まりの年です。

新しいスタートでもあり、
未来への可能性を
感じさせます。

ネズミが子沢山なことから
“子孫繁栄”の象徴でもあり、
株式市場では
株価が上昇傾向にあると
言われています。

[水墨画の描き方]子年の特徴

真面目でコツコツ働く
倹約家が多いようです。

危険察知能力に優れていて
「火事の前には
ねずみがいなくなる」
ということわざもあります。

環境への適応能力にも
長けていて人付き合いが
良いのが特徴です。

[水墨画の描き方]ねずみを描く


[水墨画の描き方]牛を描く


丑年とはどんな年なのでしょう?
丑年の人の特徴は?

[水墨画の描き方]丑年に込める

古くから酪農や農作業で
無くてはならない存在です。

じっと耐えてきたあとに
発展する前触れの年と
言われています。

[水墨画の描き方]丑の意味

丑は年月や時刻、方位を表します。

「丑の刻参り」なら
午前1時~3時

方位は北北東

「土用の丑の日」もありますね。

[水墨画の描き方]丑年の特徴

努力家でマイペース。

温厚で頭の回転が良く、
人望も厚いですが、
人の意見を聞かない
頑固な一面もあります。

[水墨画の描き方]牛を描く


[水墨画の描き方]虎を描く


寅年とはどんな年なのでしょう?
寅年の人の特徴は?

[水墨画の描き方]寅年に込める

寅年は芽を出したものが
成長していく年とか
物事の始まる年と
言われています。

[水墨画の描き方]寅の意味

虎は「千里を行って千里を帰る」
と言われるように
行動力や勢いがあります。

[水墨画の描き方]寅年の特徴

勇敢で行動力があります。
強い信念で恐れずに
物事に挑戦していきます。

集団よりも単独行動を
好みます。
またプライドも高いです。

[水墨画の描き方]虎を描く



完成図/張り子の寅

[水墨画の描き方]兎を描く


卯年とはどんな年なのでしょう?
卯年の人の特徴は?

[水墨画の描き方]卯年に込める

兎は跳ねる
というところから
株式市場では
景気が上向いたり
回復すると言われています。

[水墨画の描き方]卯年の特徴

平和主義者です。

争いごとを好まず
静かで落ち着いた
生活を好みます。

内向的な面もあり、
保身的です。

人から好かれる性格の
持ち主が多いことから
あらゆる分野で
活躍出来そうです。

[水墨画の描き方]兎を描く




正面顔の場合、
皆さんはどこから
描き始めますか?
下図のうさちゃんは輪郭から
描き始めました。⇩


イラストのような図柄なら、
輪郭から描く方が優しいと思います。

薄墨で軽く陰影を付けると
墨絵らしくなりますね。

濃淡、外隈を使って
目鼻や毛並みの一部を
ほんの少しリアルに。

輪郭線も濃淡、太細と
変化を付けると単純な線が
見違えるほど活きてきます。


所々没骨法で滲みを活かします。
あとから輪郭線で形を整えても
良いですね。

[水墨画の描き方]龍を描く


辰年とはどんな年なのでしょう?
辰年の人の特徴は?

[水墨画の描き方]辰年の特徴

十二支のうち唯一、
想像上の動物になります。

辰年には良いも悪いも
大きな出来事が多いと言います。

政変の年と言われたり、
国家プロジェクトの開始が
多いのも辰年の特徴のようです。

[水墨画の描き方]辰年の性格

感性豊かで優れた
才能の持ち主が
多いと言われています。

またリーダーとしての
力を発揮する人もいるのが
特徴です。

[水墨画の描き方]辰を描く



下の2枚の龍は民芸玩具や
竹細工を参考に描いてます。
本画は色紙に描いてます。
絵具はチューブの顔彩を使用しています。


[水墨画の描き方]ヘビを描く


蛇年とはどんな年なのでしょう?
蛇年の人の特徴は?

[水墨画の描き方]巳年に込める

蛇が脱皮するところから、
復活と再生を意味します。

そのため新しいことが
始まる年になると
言われています。

[水墨画の描き方]巳年の特徴

蛇の執念深いさまざまな
イメージから、冷静沈着で
努力家や粘り強い人
言われています。

[水墨画の描き方]蛇を描く


[水墨画の描き方]馬を描く


馬年とはどんな年なのでしょう?
馬年の人の特徴は?

[水墨画の描き方]午年に込める

物事がうまくいく  とか
好運が駆け込んでくる

ご利益がある年、
とも言われて非常に
縁起の良い年でもあります。

[水墨画の描き方]午年の特徴

大らかで決断力があり、
周囲から好かれるタイプ
の人が多いです。

最大の特徴は『行動力』

他の干支の中でも
一番アクティブとされています。

[水墨画の描き方]馬を描く


[水墨画の描き方]羊を描く


羊年とはどんな年なのでしょう?
羊年の人の特徴は?

[水墨画の描き方]羊年に込める

今まで努力してきたことを
実現させるために
最大の力が発揮出来る年
とされています。

[水墨画の描き方]羊年の特徴

とても穏やかで
大らかな人が多いです。

努力家で勤勉
自然と人が集まってくるので
友人も多いのが特徴です。

[水墨画の描き方]羊を描く


[水墨画の描き方]猿を描く


猿年とはどんな年なのでしょう?
猿年の人の特徴は?

[水墨画の描き方]申年に込める

株式市場においては
申酉騒ぐ
という格言があります。

値動きが荒く、騒がしい年で
リスクもあるがチャンスもある年
という意味です。

[水墨画の描き方]申年の特徴

適応能力が高く
多くの人に親しまれやすい
タイプです。

リーダーシップを発揮し、
目立つ存在でもあります。
お調子者の面もあるようです。

[水墨画の描き方]猿を描く


[水墨画の描き方]鶏を描く


酉年とはどんな年なのでしょう?
酉年の人の特徴は?

[水墨画の描き方]酉年に込める

酉年は『とりこむ』と
言葉にかけて、
商売繁盛を願って
縁起の良い年とされています。

[水墨画の描き方]酉年の特徴

親切で世話好き、
交際範囲も広い人が多いです。

情報に敏感で時代を
先取りする能力があるものの
転職を繰り返す宿命も
あるようです。

[水墨画の描き方]鶏を描く


[水墨画の描き方]犬を描く


戌年とはどんな年なのでしょう?
戌年の人の特徴は?

[水墨画の描き方]戌年に込める

安産、財、忠誠の象徴。
沢山の社に祀られて、
信仰の対象ともなっています。

安全、献身など
飛躍や挑戦といった言葉と
裏返しな意味を持って、
心穏やかに心に決めたことを
貫き通す。そんな堅実な
年がイメージされます。

[水墨画の描き方]戌年の特徴

真面目で献身的、
忍耐強さが特徴的です

潔癖症で頑固なところもありますが、
一旦心を許すと優しく
支えようとする愛想の良い
面を持っています。

[水墨画の描き方]犬を描く



[水墨画の描き方]亥を描く


亥年とはどんな年なのでしょう?
亥年の人の特徴は?

[水墨画の描き方]亥年に込める

十二支で最後の年になります。

エネルギーを蓄えて
新しい年を迎える
準備をする年です。

猪といえば“猪突猛進”

そこから勇気と冒険を
イメージする年でもあります

[水墨画の描き方]亥年の特徴

猪突猛進で意志強固の持ち主です。

正義感が強く、リーダー的存在で
頼られます。

反面、頑固過ぎて人の話を
聴かず、考えを曲げないのが
短所になります。

[水墨画の描き方]猪を描く



[水墨画の描き方]落款を押す


画が描けたら
落款を押しましょう。

消しゴムで手作り
したものでも良いですね。

落款の朱色があるだけでも
ぐっと画が締まります。

これはちょっと落款が歪んで
しまいました!

悪い例ですね。

落款は歪みがないよう
印矩を正しい位置に置いて
しっかり押印しましょう。

こちらの記事も参考にどうぞ
⇩ ⇩ ⇩

【水墨画】落款の位置は大丈夫?作品の完成度をよりUPさせるために

まとめ


いかがでしたか?

十二支それぞれの年の特徴と
性格も書いてみました。
より作画が面白くなるのでは
ないでしょうか?

アジア圏でもアジア圏以外でも
海外の方々に
十二支のお話しを添えて
プレゼントしても
きっと喜ばれると思います。

一般的にイメージされる
干支の画が多かった
かもしれませんが、
貴方のセンスで
かっこよく面白く
心を込めて描いてみてください。

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ABOUT US

はじめまして 水墨画作家のCHIKAです。水墨画を独学で学んだ経験を活かし、全くの独学でも楽しめる方法を日々trial and errorで実践中。“変化・継承する素晴らしさを自然から学びたい”思いで里山暮らしを体験中。野鳥好き・猫好き。アクリル画にも挑戦中。京都生まれ