[水墨画の描き方]初めてでも素敵な作品に!色紙に描いてみよう

こんにちは
水墨画家のCHIKAです。

色紙って“いろがみ”と読むの?
“しきし”と読むの?

こんな質問もあるかも
しれませんが、
今回の色紙は“しきし”
と読みます。
紛らわしいですね(笑)

色紙を知らない方は
いらっしゃらないと思います。

よく使われる方法としては
サインを書く
寄せ書きを書く

和歌、俳句を書く、書画を書く
などですね。

あっ、アニメやイラストも
よく描かれますね。

今回はこの色紙に
描いてみましょう。

そして色紙のこといろいろ
辿ってみたいと思います。

[水墨画の描き方]色紙に描く➀

色紙だからといって
今までの描く手順と
違うところはありません。

逆にハガキ同様色紙も
裏打ち(補強作業)が
必要ないので乾けば
すぐに飾って楽しめます。

一年に一度、幸せを願って
ハガキに干支を描いてみる
  ⇩ ⇩ ⇩

[水墨画の描き方]初心者でも簡単!干支の画を筆ペンでも描いてみよう

[水墨画の描き方]色紙の準備

色紙にもいろいろな
種類があります。
水墨画で使う主なものは、

◎大色紙 242mm×273mm
紙質も豊富。
和画仙紙本画仙、奉書紙、
鳥の子紙、絹目他

それぞれ滲むものから
滲まない処理(ドーサ引き)が
施されたものまで。

書画ではよく目にする大きさで、
中でも画仙紙は水墨画に
向いている紙質です。

◎寸松庵色紙 121mm×137mm
大きさは大色紙の1/4

小さめサイズなので
書画作品はもちろん
用途はいろいろです。

古筆切と呼ばれる平安時代の
色紙からきており、
それを愛蔵した茶人の茶室から
名前が付いています。

◎小色紙 181mm×212mm
小さめの書画作品や寄せ書きなど
いろいろな用途に使われます。

紙質は大色紙同様、滲むものから
ドーサ引きして滲まないものまで
あります。

その他変わったところでは
扇面、円窓、両開き等

[水墨画の描き方]画題を決める

何を描くかを決めましょう。

構図も考えて出来るだけ
単純に描けるものを
選びましょう。

滲みを活かしたい場合は
にじむことも
考えに
入れておきましょう。

滲まない紙では
ぼかしの方法も面白いですね。

[水墨画の描き方]構図を決める

画を描く時に一番悩むのが
この構図です。

小さな画面にどのように
収めるか?

構図は日頃目にしたものからも
学んだりして活用しましょう。

【水墨画の構図】基本パターンと名画から考える構図のポイント


[水墨画の描き方]落款の押印

色紙のサイズにあった
落款の大きさがあります。

半紙~色紙サイズは
10~15mm角

決まっているわけではなく
目安です。

この落款があるだけで
画がぐっと締まる気がします。
落款を押印する意味も
いろいろありますが、

落款も画の一部

と考えてビシッと
画が引き締まる
場所を選んで押しましょう。

【水墨画】落款の位置は大丈夫?作品の完成度をよりUPさせるために

[水墨画の描き方]色紙に描く②

準備が出来たら
実際に描いてみましょう。

いきなり筆を置くのが
心配な場合は鉛筆か薄墨で
アタリをとっておきましょう。

三墨法を活かして
描く場合は付立筆。

少し細かい線描きなら
削用筆か面相筆が
描きやすいでしょう。

筆ペンはこちらの記事で
お話ししました。
色紙でも楽しめそうですね。
⇩ ⇩ ⇩

[水墨画の描き方]初心者でも簡単!干支の画を筆ペンでも描いてみよう

[水墨画の描き方]草花を描く

3枚とも同じ画仙紙の色紙です。
にじみがほどほどあり、
筆跡がつきやすい紙質です。


薄墨が綺麗に出る紙質は
是非三墨法を活かして
描いてみてください。

[水墨画の描き方]果物を描く

このザクロは“本画仙”です。
にじみが出やすく
墨が深く染み込む感覚があり、
奥行きが表現出来そうです。

本画仙は中国の宣紙です。


栗のいがは割筆で描きました。
素早く筆を動かすと
にじみは出ずにはっきりした
線になります。

[水墨画の描き方]生き物を描く

2枚とも画仙紙です。

虎の背景ですが、
筆跡がつかないように
虎を描いて乾かした後に、
水で濡らします
(濡らしすぎに注意!)

乾かないうちに
筆で墨を入れていきます。

少し滑りが悪かったので
あえて模様のようにしています。


写真のフリー画像から
構図を取りました。

その場の思い付きで
風船の中に丸落款を
押印してみました。

下半分の尻尾と風船と前脚が
並んでしまったようで
少し面白くないですね(〃▽〃)

これも下書きなしの面白さです。
こんな時は今後の
良い課題になります(笑)

[水墨画の描き方]風景を描く

富士山の形は線描き。
雪のかぶっているところを
際立たせるように
濃い墨で滲ませながら入れます。

富士山の背景は
先ほどの虎の画と同様に
水で濡らして薄墨を入れます。


滝は周囲の岩や崖、木々から描きます。

薄墨で描いて徐々に
濃い墨で調子を取っていきます。

最後に水の流れを
薄墨で表現します。

[水墨画の描き方]色紙練習帳


色紙に描く前に沢山練習したい
構図を確認したい
完成をイメージしたい
などの場合、

色紙の大きさの練習帳が
いろいろ販売されています。

紙質が近いものであれば
描き慣れた練習用の紙を
色紙大に切って練習しても
良いですね。

[水墨画の描き方]たとう紙

作品を保護するために
折りたたんで包む紙のことを
たとう紙と言います。

このたとう紙に包むことで
作品の保護だけではなく、
作品を渡す相手のことを
大切に思う。

という日本人らしい考え方も
見えてきます。

またたとう紙の表には
作品の題と落款を押印します。
ぐっと作品の値打ちが
上がる気がします。

相手の方が喜んでくださるかを
考えると気も引き締まります。

大切な作品はたとう紙に入れて
保存しておきましょう。

余談ですが、
着物を畳んでしまう紙も
たとう紙と言いますよね。

湿気を吸ったり
防虫の効果が大きかった
と思います。

他に慶弔時に金銭を
包む時にも使われてます。

[水墨画の描き方]色紙の飾り方

定番の一例ですが、
飾り方を見てみましょう。

[水墨画]色紙の飾り方

色紙額

[水墨画]色紙の飾り方

色紙立て、ミニイーゼル

[水墨画]色紙の飾り方

色紙用掛軸

こちらは眠っている裂地などが
あれば手作りしても素敵ですね。

その他、
アクリルフレーム、
100均のウォールバーや
DIYで作った衝立に
飾り付けても楽しいですね。

もっともっと工夫次第で
面白い飾り方が出来そうです。

[水墨画の描き方]色紙といろがみ

ここからは歴史を振り返って
みたいと思います。

色紙というのはそもそも
“いろがみ”にあたる

というのであれば
“いろがみ”として
使われていた歴史を
見てみましょう。

現代でも“いろがみ”は
目にしますよね!
百均に行けば売ってます。

少し値の張るものであれば
和紙に染色された
“染和紙”がネットでも
販売されています。

歴史的に観た“いろがみ”は
染和紙として始まったらしく、
古くは正倉院文書に記載され、
伝存されているようです。

これも平安時代になって
和文化が花開き、
染色技術も向上していくと、
一定の大きさに定まり、
詩歌を書くようになります。

貴族や皇族が文を交わすのに
用いるようにもなりました。

季節感を取り入れた
煌びやかで高尚な
遊びだったのでしょうね。

この時代の“いろがみ”は
白色に対しての染紙でした。

源氏物語や枕草子では
『白きいろがみ』との記載が
あるようです。

[水墨画の描き方]色紙の変遷

奈良飛鳥時代には
染色技術が大陸から
渡ってきました。

その技術が日本人に踏襲され、
布にしても紙にしても
呪術的、宗教的な役割を
持って広まりました。

平安時代にはすっかり
貴族や皇族たちの生活に
無くてはならないものと
なって発展していきます。

色紙に限って見ると、
最初は染め紙に対しての
呼び名だったようですが、
知識人たちがそこに
和歌を書いて文をやり取りする。

平安後期~鎌倉時代にかけては
障子や屏風に描かれた
風景画等の上部の面に、
その画に因んだ和歌を書いた
色紙を
貼りつけて
鑑賞したようです。

この色紙形が現在の色紙と
なったとされています。

色紙形の最古のものは
藤原定家「小倉色紙」です。

[水墨画の描き方]色紙の現在まで

古筆切』や『断簡』といった
言葉をご存知ですが?

特に書を嗜んでいらっしゃる
方ならお稽古や作品制作の時に
馴染みがあると思います。

現在、
色紙と呼んでいるものの中には、
能書家や歌人の書き残した
ものをその部分部分で切り取り、
断簡となったために
大きさがまちまちのものです。

たぶん時代がくだるにつれて
その大きさも徐々に
変化しながら定まってきた、
ということでしょうか。

色紙の使われ方で最も多いのは
三十六歌仙でその一首一首を
屏風に貼るなどして
鑑賞され続けています。

三十六人集/西本願寺蔵(ウィキペディアより)

江戸時代になると本阿弥光悦、
角倉素庵、俵屋宗達のコラボで
嵯峨本」と呼ばれる
華麗な色紙が作られました。

そのあとは
100年ごとに継承者が現れる
琳派の絵師たちが
絵画と工芸品で華麗に
色紙形を創作していきます。

[水墨画の描き方]現在の色紙

歴史的にみると
知識人たちが愛した
華麗な書画の世界でしたね。

さすが木と紙の文化だけあって、
様々に工夫を凝らし装飾されて
洗練された日本の文化を
誇らしく思う次第です。

ある染色作家の方は
「古代の人々に挑戦している」
こんな言葉を残されています。

ヒントやアイデアは
歴史の中に埋れているものが
多いかもしれませんね。

 

まとめ

今回は色紙のことを
書いてみました。

➀種類を知って描き順を確かめて描いてみる
➁飾り方を工夫して楽しむ
➂色紙の形になった歴史を振り返る

教室によっては
この色紙から教わるところも
あるようです。

色紙の場合でも
描いてみないとわからない
滲み具合他があります。

私は最初の頃、
初めての紙質に描く時は、
滲みや擦れ具合を試すのに
何枚かは潰していました。

描きやすい紙と出会ったときは
きっとやる気が倍になります。

どんどん描いていきましょう!!
素敵な色紙画になりますように。

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ABOUT US

はじめまして 水墨画作家のCHIKAです。ある日突然、日本人の大切にしてきた美意識に目覚めました。中でも水墨画の面白さにハマってウン十年。独学で学んだ経験を活かし、全くの独学でも楽しめる方法を日々trial and error で実践中。趣味は自然観察、美術鑑賞、茶道etc 京都生まれ