【水墨画の描き方】春の草花を描く/墨の濃淡で水仙を描くには

こんにちは
水墨画家のCHIKAです。

真っ先に春を告げる花といえば
水仙と梅が思い浮かびます。

柔らかく仄かな香りが
何とも良いですね!

今回は春の代表的な草花である
水仙を墨の濃淡を活かして
描いてみたいと思います。

それでは
挑戦してみましょう!!

【水墨画の描き方】水仙の描き方


紙は程よい滲みのある
練習用書道半紙です。

筆は長流一本ですが、
細かい所は削用か
面相筆を用意します。

描き方の前に
まずは完成図です。

【水墨画の描き方】水仙の線描き

花を線描き、葉っぱを面描きします。

【水墨画の描き方】構図と特徴


水墨画は細密に描写
することはないので、
特徴をうまく表現出来ることが
ポイントになります

そのために
構造と特徴を確認します。

  • 一本の花茎に沢山の花を付ける
    房咲きです。
  • 少しうつむき加減に咲きます。
  • 花びらは6枚のようですが、
    3枚の花弁3枚のがく片
    交互に重なって
    二段構造になっています。
  • しべを囲むのは、
    副花冠と呼ばれる筒状のもの。
  • 葉はニラにも似てます。
    帯状で細長くよじれて
    翻っています。
  • 葉の先端は丸みを帯びてます。

【水墨画の描き方】下描き準備


下描きを用意します。

スケッチでも画像でも良いですが、
この段階で次の事を
確認しておくと筆を止めることなく
描き進めることが出来ます。

  1. 筆でどう表現出来るか
  2. 線と面を考える
    どの部分を線描きするか
    どの部分を面描きするか
  3. どこから描くか
  4. どこを省くか
    描き込み過ぎに注意
  5. 濃淡を考える(先濃後淡)

水墨画は濃淡の付け方で
かなり雰囲気が変わってきます。

手前のものを濃く(先濃)
後のものを薄く(後淡)

以上を基本に

頭の中でイメージしやすいように
一度和紙に描いてみて
濃淡の調子他を試し描き
してみるのも良いですね。

課題がハッキリします。

【水墨画の描き方】花びら、蕾、茎

  1. 花びらと蕾を描きます。
    花びらの線にも動きを付けたいので、
    薄めに調墨し変化をつけます。


    副花冠は側筆で面描きも出来ます。
  2. 少し離して淡墨で膜を描きます。
    上から下へ
  3. その膜に向かって花の茎を出します。
    力加減が難しいですが、
    穂先を揃える気持ちで
    力を抜いて引き下ろします。
  4. 膜下の茎を上から下へ
    力を抜きながら下ろします。
  5. 後から描く葉っぱとは
    少し間を開けておくほうが
    多少の遠近が出ます。

【水墨画の描き方】葉っぱ


特徴を活かして描きます。

根元で一つにまとまるように
上から下へ運筆します。

どうしてもやりにくい場合は
下から上へ運筆しましょう。

  1. 先端の丸みを出すため
    運筆はややゆっくり入って
    サッと抜く
  2. 翻った葉は新たに下向きに
    一気に引き下ろす
  3. 手前と向こう側の濃淡を
    考えて(先濃後淡
  4. 花茎の周りにまとめる

【水墨画の描き方】完成図(再)

花茎の後に描く葉っぱは
花の大きさや茎の
長さの違いによっても
お手本通りにはならないと思います。

バランスよくまとまるように
いろいろ描いてみてください。

【水墨画の描き方】めでたい花


日本画や墨絵に
よく登場するのが四君子です。

水仙もまた四君子のひとつ

  • 梅・竹・菊・水仙
  • 松・水仙・竹
  • 柏・水仙・霊芝
  • 蘭・桂・水仙
  • 梅・桂・菊・水仙 等々

まだまだ沢山あるようですが、
全てめでたいものを
組合せてより大きな
吉兆を願ったものです。

【水墨画】初心者にとっての“四君子”とは/ポイントを押さえて描く

【水墨画の描き方】着色について


冬色から少しずつ
淡い色が生まれてくる

そんな春の草花を
わざわざモノトーンに
変化させなくてもいいのに

と思われた方、

筆と水加減を学習するつもりで
墨だけの濃淡で表現してみましょう。

そのうえで
水墨画の特徴を活かして、
色も積極的に使っていきましょう!

色を使っても
水と墨で描くのが水墨画。

塗るのではなく
置いていく感覚で描きましょう。

まとめ

いかがでしたか?

今回は春を告げるように咲く
水仙に挑戦しました。

花言葉は
“自己愛”“神秘”“尊敬”

有毒を持つとされますが、
その香りには癒されます。

くれぐれもニラと間違って
刈り取らないようご注意を!

是非日頃の練習に
取り入れてみてください。

⑴花の構図と特徴を確認
⑵下書き、お手本準備
⑶花びら、蕾、茎⇒葉っぱ
⑷四君子のひとつ、めでたい花

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

ABOUT US

はじめまして 水墨画作家のCHIKAです。水墨画を独学で学んだ経験を活かし、全くの独学でも楽しめる方法を日々trial and errorで実践中。“変化・継承する素晴らしさを自然から学びたい”思いで里山暮らしを体験中。野鳥好き・猫好き。アクリル画にも挑戦中。京都生まれ