【水墨画】の描き方|その前に知っておきたい姿勢と運筆の数々

こんにちは
水墨画作家のCHIKAです。

今回は、描く前に知っておきたい
描く姿勢と筆法の種類について
書きたいと思います。

名前の難しさ、ややこしさに
惑わされないで、飛ばさずに
クリアしていきましょう。

技法の前にこちらの記事を
読んでおくと理解が進みます。⇩

水墨画初心者が「うまく描こう」とすると苦労する理由

[水墨画]初心者だからこそ知っておこう|描く姿勢

[水墨画]姿勢が大切なワケ

エッ!
「描くのに姿勢まで
学ばないといけないの?」

と言われるかもしれませんが、
そもそも水墨画は書と本質を
同じにするものです。

日常生活では墨を使うことが
珍しくなったために、
“姿勢”などというと
堅苦しく思えるかもしれませんが、

姿勢を正しくすることで
体の機能、指先の機能を
合理的に働かせることが
出来るようになります。

大切なことは

肩の力を抜いて
肩から手首までを柔らかく
自由に動かせるようになることです。

スポーツと同じですね。
機能、能力を発揮するためには
最適な動きが必要になってきます。

細かな描写から
大胆でスケールの大きい描写まで
思うままに描くためには

「ずっと楽に描ける」
この姿勢が大事になってきます。

[水墨画]基本の姿勢でピン!

  1. 背中をピンとのばして
    力を入れずに筆を持ちます。
  2. おへその少し下のところを
     丹田たんでんといいますが、
    そこを引き締める感じで
    フッと息を吐き、
     気持ちを集中させるようにします。
  3. 肩に力を入れないようにして
    筆はふわっと落とさない程度に
      軽く軽く持ちます。

机の高さは高すぎても
低すぎても腕の動きが妨げられます。

お腹が机より少し上の位置が
描きやすいと思います。

[水墨画]初心者だからこそ知っておこう|筆使い

[水墨画]主な筆の持ち方

日本では、次の2つの持ち方が主流です。※

双鈎法そうこうほう
親指、人差し指、中指ではさみ
薬指で支える。
筆が安定する持ち方です。

単鈎法たんこうほう
親指と人差し指で
筆管を支え、中指と薬指で
支える持ち方
細かく筆を動かすのに
良い持ち方です。

※中国では、
「五指執筆法」が主流です。

初心者のうちは、
「筆の持ち方」を確認してから
描くようにしてみましょう。

・指に力を入れない。
・筆は正しい持ち方で軽く持つ

[水墨画]腕の構え方3つ

懸腕法けんわんほう
体から肘を離し、
筆を持った方の腕を紙から離し、
紙と平行に浮かせて描く方法

大きな運筆が可能です。
最初はちょっと不安定な感じですが、
自由に腕が動かせて
いちばん描きやすい構え方です。

提腕法ていわんほう
筆を持った方の手首を
机の上に軽くのせて描く方法。

小品を描く時、または
細部を描く時に適した構え方です。

枕腕法ちんわんほう
筆を持っている方の手首の下に、
空いている方の手を添える構え方です。

小品や細部の描写の時に
安定する方法です。

[水墨画]適材適所の筆構え

大切なのは
描く場面に応じて
使い分けることです。

  • 大画面を描く時は
    手首と腕を使います。
    上体を使う時もあります。
  • 小品を描く時は
    手首を使って筆を動かします。
  • 細部を描く時は
    指を使って筆を動かします。

これらを組み合わせて
筆圧や運筆の速度を
加減することで筆を運んでいきます。

初心者の時に大切なことは、
とにかく筆のことを知って
たくさん描くことです。

そうして慣れることで、
いろいろな描き方が出来るようになります。

【水墨画】初心者だからこそ知っておこう|運筆とは


運筆(用筆)とは
実際に描く際の筆遣いを言います。

直筆、側筆、逆筆があります。

[水墨画]直筆とは

筆を紙面に対して直角に立てて
穂先が線の中央を通るようにする方法

[水墨画]側筆とは

筆を斜めに傾けて
筆の腹を使って描く方法
線に変化をつけやすく
表現の幅が広がります

[水墨画]逆筆とは

筆をやや斜めに倒し
押し出すように描く方法

[水墨画]その他の運筆法/擦筆法

基本は直筆、側筆、逆筆ですが、

その他にも
こすったり、引きずったり、
叩いたり、打ったり、etcと
いろいろな用筆法があります。

そのため
筆は一部分だけではなく
あらゆる部分を使って描くことです。

その中でもよく使う用筆法に
擦筆さっぴつがあります。

この方法の多くは筆を
“割筆わりふで”といって
穂先をねじってバラバラにし
少ない墨とすばやい運筆で
こするように描いていきます。

獣の毛描きをこの方法で
表現したりします。

[水墨画]名前は気にしない!

運筆や用筆etc
名前を聞いただけでは
混乱しそうですね。

初心者のうちは練習の際に、
「今何をどんな方法で描いているか」を
意識することは大事なことです。

名前を覚えたほうが
都合が良いですが、

意識しないでも
手が動くようになれば
名前はさほど重要ではありません。

技法に関する記事はコチラからも
⇩ ⇩ ⇩

【水墨画】を独学で楽しむために|まず技法を知ることは上達の第一歩!

[水墨画]は勢い1番、形2番


初心者のうちは、
筆も紙も墨も
思うように扱えないのが普通です。

「上手く描こう」と思えば思うほど
難しく感じます。

描きたいものを
「今度はこの方法で描いてみよう」と、

ひとつひとつ
マスターするつもりで
「気」=勢いのある
描き方を目指しましょう。

日本は「形から入る」
という教え方、習い方ですし
お手本どおりの
美しい絵が好まれます。

それもとても大事なことですが、

形ばかり追いかけると
その人らしさが薄れてしまいます。

「私はこう見えました。
だからこう表現したい」
でいいのではないでしょうか。

細部の形を追いかけるのではなく
「対象の特徴」をしっかりつかんで、
自分らしく表現することを
意識しましょう。

初心者のうちは
滲む紙を使いこなすのは
難しいですが、

滲む紙を使い始めると
細部表現がかえって難しい
ということをすぐに
実感することになります。

常に目の前に出来た形を
活かして描き進むことが
重要かつ必要になってきます。

これこそが水墨画の
大きな特長であり
面白いところであります。

[水墨画]初心者だからこそ知っておこう|二大表現方法


水墨画の二大表現法は
次の二つです。

鈎勒法こうろくほう
輪郭線を描く方法で、
主に直筆を使って
線のみで表現します。
白描画はまさにこの方法です。

没骨法もっこつほう
輪郭線を描かない方法です。
側筆が中心の描き方になります。

墨の濃淡、潤渇の変化で
対象の質感、量感を同時に
表現する方法です。

主によく使われる描法は
以上の2つです。

[水墨画]目と手の習得時間差


ある書家が子供の頃の
成長過程をTVで語っていました。

「少し描けるようになってから
背伸びして、さらに上の書を
書きたいと挑戦しました。

けれど、頭では完ぺきに
書けるイメージが出来ているのに、
いざ実際に書くと書けません。

その時、目と手の
習得の時間差を感じました」

なるほど
と納得してしまいました。

頭が理解しても
体が理解するまで
根気強く待たなくては
ならないのですね。

今日はこれが出来た!
これも出来るようになった!!と、

出来たことを喜ぶようにして
積み上げていくのが
一番の近道かもしれません。

そうするうちに
描きたいものも
増えていきます。

そしたら
どんどん人前で
発表する機会を持ちましょう!!

モチベーションアップに
大いに繋がります。

▶こちらの記事では、最初に習得したい
技法と順番についてお伝えしています。👇

【水墨画初心者】まず覚えたい基本技法|運筆と三墨法のコツ

まとめ

今回は実践の前に
押さえておきたい大切な
姿勢と運筆の数々を
お伝えしました。

⑴ 背筋をピン、丹田に意識を集中
⑵ 肩から手首までを柔らかく自由に動かす
⑶ 勢いを失わないためにも適材適所の運筆を

日頃のお稽古のヒントになれば幸いです。

👉初心者の方は、何から始めたらよいか
とても迷うところです。こちらの記事では、
「初心者の方がつまづくポイント」を
まとめてみました。⇩

【水墨画初心者】はじめての方へ|水墨画を始めたあなたへ


2 件のコメント

    • 大河原俊雄様
      嬉しいコメントをありがとうございます。また是非ご訪問いただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

  • ABOUT US

    はじめまして 水墨画作家のCHIKA.Nです。水墨画を独学から始め、描き続けてきた絵描きです。初心者や独学者がつまずきやすいポイントを、技法だけでなく「考え方」から伝えること。そして上達の速さより続けることを大切にお伝えしています。 水墨画を少し安心して続けられる場所として、このブログを運営しています。  京都生まれ、兵庫県在住