【水墨画の描き方】春の草花を描く/墨の濃淡でカタクリの花を描く

こんにちは
水墨画家のCHIKAです。

春先に山地で群生する
可愛らしい花といえば、

カタクリの花ですね。
別名“春の妖精”です。

今回はこのはかない命の花を
墨の濃淡を活かして
描いてみたいと思います。

スケッチからどんな風に
描いていくかを併せて
見ていきたいと思います。

【水墨画の描き方】カタクリの描き方

描き方の前に完成図です。

書道半紙“玉蘭”使用

花も葉っぱも没骨法(面描き)で
描いてみたいと思います。

【水墨画の描き方】構図と特徴

水墨画は細密に描写
することはないので、
特徴を活かして
表現出来ることが
ポイントになります。

カタクリの花の
構造と特徴を確認しましょう。

【水墨画の描き方】構造と特徴

種子から花を咲かせるまで
なんと9年ほどもかかる
ということです。

一年のうちでわずかに
2か月足らずしか
地上に出ていないため、
はかない命という別名が
付いています。

  • 花は茎先に一輪、下向きに咲きます。
  • 花びらは反対に反り返って
    上向きです。
  • 花びらは6枚
    雄しべ6本、めしべ1本
  • 花の色は薄紅紫色
  • 花弁の付け根に花色より
    さらに濃い紫のW字の
    形をした模様があります。
  • 葉っぱは開花しているものだと2枚
    花茎の左右対称に出ます。
  • 葉っぱは肉厚で柔らかい
  • 葉っぱの形は楕円形か卵形

【水墨画の描き方】下描き準備

下描きを用意します。

スケッチでも画像でも良いですが、
この段階で次の事を
確認しておくと筆を止めることなく
描き進めることが出来ます。

  • 筆でどう表現出来るか(構図)
  • 線と面を考える
    どの部分を線描きするか
    どの部分を面描きするか
  • どこから描くか
  • どこを省くか
    描き込み過ぎに注意
  • 濃淡を考える(先濃後淡)

水墨画は濃淡の付け方で
かなり雰囲気が変わってきます。

手前のものを濃く(先濃)
後のものを薄く(後淡)

以上を基本に

頭の中でイメージしやすいように
一度和紙に描いてみて
濃淡の調子他を試し描き
してみましょう。

【水墨画の描き方】花びら、しべ、茎

花びらを描く時の筆は
描きにくければ
小筆を使いましょう。

  1. 花びらをやや薄く調墨した筆で
    面描きします。
  2. 見えてる部分の花びらを
    少し濃いめに
  3. 見えない部分の花びらを薄めに
    6枚しっかり描かなくても良いですが、
    バランスは考えましょう。
  4. 花びら一枚一枚は筆先を利用して
    花びらの中心から先に向かって
    筆を下ろします。
  5. 雄しべは濃墨で描き入れます。
    めしべは淡墨で描き入れます。
  6. 花茎を描きます。
    花びら同様、薄く調墨します。ハテナ?記号のような形に
    上から下へ引き下ろします。
    始点終点を確認して
    一気に引き下ろします。

細線で迷いなく上から下へ
描くのはなかなか難しいので、
全体的なバランスを見るために
花茎は葉っぱの後に描いても
良いかもしれません。

どちらにしても完成図を確認して
中心にまとまるように描きます。

【水墨画の描き方】葉っぱ

実際の葉っぱは楕円形か
卵形があります。

  1. 葉っぱは2筆で描きます。
    椿の葉っぱより少し
    長めを意識して描きます。
    先端はまとまるように。
  2. 花と葉っぱの濃淡のバランスをみます。
    葉っぱは花よりも
    濃いめに描きます。
  3. 翻った葉っぱの描き方は
    表向きを先に、葉先の裏側を
    後で加えます。

4つの葉っぱのそれぞれに
濃淡の違いが出れば良いですね。

もう一つのポイントは
葉っぱの付き方に変化を
付けることです。
十字にならないように
注意しましょう!

【水墨画の描き方】完成図(再)

今回は左右に首を垂れている花と
その葉っぱを一つのまとまりとして
描きました。

書道半紙“玉蘭”使用
紙やその他の道具類に迷った時はコチラ
⇩ ⇩ ⇩

水墨画を気軽に始めるには|初心者はまずこの道具を揃えよう

【水墨画の描き方】参考

筆者が講師を務める教室の
3か月目に受講生さんが描いた
カタクリの花です。

葉っぱが難しいというのが
皆さん一致の感想でした。

それでもお手本どおりに
ご自身での工夫もあって
ここまで描かれています。

【水墨画の描き方】着色について

冬色から少しずつ
淡い色が生まれてくる

そんな春の草花を
わざわざモノトーンに
変化させなくてもいいのに

と思われた方、

筆と水加減を学習するつもりで
墨だけの濃淡で表現してみましょう。

そのうえで
水墨画の特徴を活かして、
色も積極的に使っていきましょう!

色を使っても
水と墨で描くのが水墨画。

塗るのではなく
置いていく感覚で描きましょう

まとめ

いかがでしたか?

今回ははかない命という
名を持つカタクリの花を
描いてみました。

花言葉は「初恋」「嫉妬」

是非日頃の練習に
取り入れてみてください。

⑴花の構図と特徴を確認
⑵下書き、お手本準備
⑶葉っぱのつき方に工夫
⑷着色について

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ABOUT US

はじめまして 水墨画作家のCHIKAです。水墨画を独学で学んだ経験を活かし、全くの独学でも楽しめる方法を日々trial and errorで実践中。“変化・継承する素晴らしさを自然から学びたい”思いで里山暮らしを体験中。野鳥好き・猫好き。アクリル画にも挑戦中。京都生まれ