こんにちは
水墨画家のCHIKAです。
春先に山地で群生する
可愛らしい花といえば、
カタクリの花ですね。
別名“春の妖精”です。
今回はこのはかない命の花を
墨の濃淡を活かして
描いてみたいと思います。
スケッチからどんな風に
描いていくかを併せて
見ていきたいと思います。
目次
【水墨画の描き方】カタクリの描き方
![](https://sui-boku.com/wp-content/uploads/2022/07/wild-flowers-g5c13aba9e_640.jpg)
描き方の前に完成図です。
![](https://sui-boku.com/wp-content/uploads/2022/11/玉蘭使用-scaled-e1668406562710.jpg)
花も葉っぱも没骨法(面描き)で
描いてみたいと思います。
【水墨画の描き方】構図と特徴
![](https://sui-boku.com/wp-content/uploads/2022/07/flowers-gd3903e0c8_640.jpg)
水墨画は細密に描写
することはないので、
特徴を活かして
表現出来ることが
ポイントになります。
カタクリの花の
構造と特徴を確認しましょう。
【水墨画の描き方】構造と特徴
種子から花を咲かせるまで
なんと9年ほどもかかる
ということです。
一年のうちでわずかに
2か月足らずしか
地上に出ていないため、
はかない命という別名が
付いています。
- 花は茎先に一輪、下向きに咲きます。
- 花びらは反対に反り返って
上向きです。 - 花びらは6枚
雄しべ6本、めしべ1本 - 花の色は薄紅紫色
- 花弁の付け根に花色より
さらに濃い紫のW字の
形をした模様があります。 - 葉っぱは開花しているものだと2枚
花茎の左右対称に出ます。 - 葉っぱは肉厚で柔らかい
- 葉っぱの形は楕円形か卵形
【水墨画の描き方】下描き準備
下描きを用意します。
スケッチでも画像でも良いですが、
この段階で次の事を
確認しておくと筆を止めることなく
描き進めることが出来ます。
- 筆でどう表現出来るか(構図)
- 線と面を考える
どの部分を線描きするか
どの部分を面描きするか - どこから描くか
- どこを省くか
描き込み過ぎに注意 - 濃淡を考える(先濃後淡)
水墨画は濃淡の付け方で
かなり雰囲気が変わってきます。
手前のものを濃く(先濃)
後のものを薄く(後淡)
以上を基本に
頭の中でイメージしやすいように
一度和紙に描いてみて
濃淡の調子他を試し描き
してみましょう。
【水墨画の描き方】花びら、しべ、茎
![](https://sui-boku.com/wp-content/uploads/2022/07/dogtooth-violet-g22e7909b4_640.jpg)
花びらを描く時の筆は
描きにくければ
小筆を使いましょう。
- 花びらをやや薄く調墨した筆で
面描きします。 - 見えてる部分の花びらを
少し濃いめに - 見えない部分の花びらを薄めに
6枚しっかり描かなくても良いですが、
バランスは考えましょう。 - 花びら一枚一枚は筆先を利用して
花びらの中心から先に向かって
筆を下ろします。
- 雄しべは濃墨で描き入れます。
めしべは淡墨で描き入れます。
- 花茎を描きます。
花びら同様、薄く調墨します。ハテナ?記号のような形に
上から下へ引き下ろします。
始点終点を確認して
一気に引き下ろします。
細線で迷いなく上から下へ
描くのはなかなか難しいので、
全体的なバランスを見るために
花茎は葉っぱの後に描いても
良いかもしれません。
どちらにしても完成図を確認して
中心にまとまるように描きます。
【水墨画の描き方】葉っぱ
![](https://sui-boku.com/wp-content/uploads/2022/07/wild-flowers-g9e6d83f57_640.jpg)
実際の葉っぱは楕円形か
卵形があります。
- 葉っぱは2筆で描きます。
椿の葉っぱより少し
長めを意識して描きます。
先端はまとまるように。 - 花と葉っぱの濃淡のバランスをみます。
葉っぱは花よりも
濃いめに描きます。
- 翻った葉っぱの描き方は
表向きを先に、葉先の裏側を
後で加えます。
4つの葉っぱのそれぞれに
濃淡の違いが出れば良いですね。
もう一つのポイントは
葉っぱの付き方に変化を
付けることです。
十字にならないように
注意しましょう!
【水墨画の描き方】完成図(再)
今回は左右に首を垂れている花と
その葉っぱを一つのまとまりとして
描きました。
![](https://sui-boku.com/wp-content/uploads/2022/11/玉蘭使用-scaled-e1668406562710.jpg)
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【水墨画の描き方】参考
![](https://sui-boku.com/wp-content/uploads/2022/05/20220406_150535-scaled-e1651396918904.jpg)
筆者が講師を務める教室の
3か月目に受講生さんが描いた
カタクリの花です。
葉っぱが難しいというのが
皆さん一致の感想でした。
それでもお手本どおりに
ご自身での工夫もあって
ここまで描かれています。
【水墨画の描き方】着色について
![](https://sui-boku.com/wp-content/uploads/2022/07/watercolor-g38790667f_640.jpg)
冬色から少しずつ
淡い色が生まれてくる
そんな春の草花を
わざわざモノトーンに
変化させなくてもいいのに
と思われた方、
筆と水加減を学習するつもりで
墨だけの濃淡で表現してみましょう。
そのうえで
水墨画の特徴を活かして、
色も積極的に使っていきましょう!
色を使っても
水と墨で描くのが水墨画。
塗るのではなく
置いていく感覚で描きましょう
まとめ
いかがでしたか?
今回ははかない命という
名を持つカタクリの花を
描いてみました。
花言葉は「初恋」「嫉妬」
是非日頃の練習に
取り入れてみてください。
⑵下書き、お手本準備
⑶葉っぱのつき方に工夫
⑷着色について