【水墨画】初心者でも描ける雀の描き方/パーツごとに描いてみる

こんにちは
水墨画家のCHIKAです。

ある画家の雀を鑑賞した瞬間から
雀のとりこになりました!

数ある小鳥の中でも
特徴的な体の配色、
動きも可愛くて、
直ぐ近くで観察できる、等々

皆様の中にもきっと
鳥をバッチリ描きたい!
と思っていらっしゃる方、
多いのではないでしょうか?

ということで今回は、
超簡単雀ちょっと難し目の雀
そして雀に纏わることを
雀愛満載で!
書きたいと思います。

水墨画で雀を描く/塊で描く

まずは超簡単雀からです。

これ以上簡単に描く方が
難しいかも、という描き方がコレ

すべて一例です。
ご自身で描きやすい順番と
方法を見つけ出してください。

筆は削用筆小と付立筆中
使ってます。

水墨画で雀を描く/前向き

1.嘴
2.目
3.頭
4.喉元の黒い部分
5.頬の黒斑
6.腹 二筆で

水墨画で雀を描く/左向き

1.頭
2.目
3.嘴
4.喉元の黒い部分
5.頬の黒斑
6.背中
7.腹
8.尻尾
9.足

水墨画で雀を描く/右向き

左向きと全く同じで逆向き

1.頭
2.目
3.嘴
4.喉元の黒い部分
5.頬の黒斑
6.背中
7.腹
8.尻尾
9.足

水墨画で雀を描く/飛ぶ雀

飛ぶ雀が難しいのは
やはり羽の部分ですね。

薄墨の面描きをうまく
利用しましょう。

飛ぶ前後の動きも考えて
不自然にならないよう
意識してみましょう。

1.頭
2.目
3.嘴
4.喉元の黒い部分
5.頬の黒斑
6.背中    までは同じ

7.尻尾 で軸をしっかりさせ
左右の翼 を広げる ※
8.翼の先の羽 を濃墨で羽らしく
9.腹 喉元から左の翼に向けて

※尾羽は舵の役目とブレーキの
役目を担ってます。
※翼は推進力、揚力、飛翔力

水墨画で雀を描く/飛ぶ雀

こんな飛び方も可愛いですね。

どれも頭と翼と胴体部分は
三墨法の薄墨にして
立体感が出れば良いですね。

翼も表側と裏側、
簡略化なりの描き方に
工夫してみてください。

水墨画で雀を描く/麻雀


こちらは中国画技法の雀
「麻雀」(発音:マーチュエ)

中国画では山水画や花卉雑画
以外では着色します。

色を使うとまた可愛いですね。

なぜか麻雀に雀の字が使われているのか?
“牌を混ぜる音がチュンチュンうるさいから”
(諸説あり)
だそうです。一般的には“麻将”(発音:マーチアン)

水墨画で雀を描く/前・横・後

ここからは
ちょっと難し目の雀たち。

ポーズは“簡単雀”と同じです。
前向き、横向き、後ろ向き

スケッチやお手本が必要に
なります。

水墨画で雀を描く/スケッチ

スケッチは描き込んでも
あっさりでもどちらでも
お得意のほうで良いです。

要は特徴を掴んで
活かせるかどうか。

動きのあるものを描く時は
この特徴が物を言います。

必要なところと省くところの
見極めが大事。

難しいところですが、
可愛い動きの雀を
静止させないよう
工夫して描きましょう。

水墨画で雀を描く/前向き

前向き/鉛筆スケッチ

雀に関わらず鳥を描く時に
一番難しいパーツは
羽と足ではないでしょうか?

であれば羽は後回しにして
正面で描いてみましょう。

特徴的な顔のパーツから
描きましょう。

1.嘴
2.目

3.喉元の黒い部分
4.頬の黒斑

5.帽子のような頭
6.体の部分
7.少し見える翼

8.足

この順番。

羽を描かないようにするため
ポーズは限られますが、
どうですか?
冬の雀ちゃんです。

活動期の雀ちゃんも
描いてみてください。

水墨画で雀を描く/左向き

左向き/鉛筆スケッチ

水墨画で雀を描く/右向き

右向き/鉛筆スケッチ

水墨画で雀を描く/後向き

後向き/鉛筆スケッチ

描き順です。

体の部分は同じですが、
左向きの顔も描きました。

後向き2/鉛筆スケッチ

水墨画で雀を描く/一羽から数羽

一羽が描けたら数羽も描けます。
最初に描いた簡単な雀と同じです。

雀は数羽描くと
チュンチュンおしゃべりして
いる声が聞こえます。

少しずつポーズを変えて
コミカルに描いてみてくださいね。

水墨画で雀を描く/羽を描く

簡単にそれらしく描く
工夫をするにはどうするか?

雀の羽毛の構造を
ちょっと知っておくだけで、
イメージしやすく
描きやすくなります。

横向きの場合は
肩から三段階で
まとめられそうです。

向きをよく考えて
チョンチョンと模様を
置いていきましょう。

水墨画の場合は
塗る、ではなく
“置く”感覚です。

水墨画で雀を描く/背景をプラス

雀と言えば竹との組み合わせ、
あるいは枝に止まっているところ、
地面で餌を啄ばんでいるところ。

背景もいろいろですが、
もし秋から早春の景色ならば、
『福良雀』もとっても
可愛らしく描けます。

ただ体を(羽毛を)膨らます
だけですが縁起が良い、
とされる姿なので
良い画題になります。

水墨画で雀を描く/足の描き方

あっさり一本線で描く方法。

しっかりと線描きする方法。

どちらにしても
観察かあるいは画像で
しっかり足のつき方、出方を
確認しておきましょう。

もう一つの方法として、
足を描くのが難しい!
と思った時には
“膨ら雀”にして足3本の
先だけを描く、方法があります。

実際このようにとまっている
風景を見ますよね。

余談ですが、
某テレビ番組で
名画の鑑定をされてました。

残念ながら全くの偽物でした。

その画には鳥が枝に
留まっているものでしたが、
その足が何とも奇妙でした。
留まり方も不自然でした(笑)

鑑定士は鋭くそこを指摘
されてました。

画家の観察眼が試される
ところですね。精進精進

水墨画で雀を描く/リスペクト

どちらも小動物を
沢山描かれている
日本画の大家です。

水墨画で雀を描く/竹内栖鳳

『雀の画家』と呼ばれた人がいます。
日本画家の竹内栖鳳です。

この画家の雀の画は
家一軒ほどの価格だった!
というから驚きです。

でもとてもコミカルで
それこそ画の中から
飛び出してくるのではないか!

と思わせるくらいの
可愛い雀たちです。

私は栖鳳の雀を見た瞬間から
こんな雀を描きたい!
と思ってずっと挑戦しています。

水墨画で雀を描く/渡辺省亭

渡辺省亭はつい最近、
再発見された“忘れ去られていた”
日本画の大家です。

海外では絶大な人気のある
コレクターも多い画家です。

この画家の描く小動物は
生きて動くのではないか!
と思うほどです。

中でも鳥は凄く、
特に群れているところなど
溜息が出そうです。

コミカルな栖鳳雀と
緻密な省亭雀。どちらも
挑戦したい雀たちです。

水墨画で雀を描く/ポターの雀

ヒルトップ農場/ニア・ソーリー

そういえば
ピーターラビットが絶体絶命の時に
雀が描いてあったな🤔

と思い出したので、
そのシーンを水墨画調で
描いてみました。

『ピーターラビットのおはなし』
ビアトリクス・ポターさく・え より
(文章引用)

ピーターは、もうだめだとおもって、
大つぶのなびだをこぼしました。
ところがしんせつなすずめが
そのなきごえをききつけて
やってきました。・・・・

「ピーターラビットのおはなし」より

・・・ちょうどそのとき
ピーターはむちゅうでうわぎを
ぬぎすてて、にげてしまいました。

「ピーターラビットのおはなし」より

水墨画で雀を描く/雀のお話し

さてここからは雀と人間との
関りのお話をしましょう。

雀の大好物は穀物です。

雀が人間の身近で生活し
始めたのは農耕がされる
ようになってからで、
人間の近くにいれば
敵からも守られるからでしょう。

収穫時期になると
稲穂を食べるとして
害鳥呼ばわりされていますが、
実はもっとそれ以上に
害虫も雑草も食べているのです!

中国ではある時期に
やはり害鳥として駆除を
行なったようです。

その結果は害虫が
大量発生したと記録に
残っているようです。

このことは中国に限りません。

雀の駆除の結果、
大量発生した害虫をどうするか?

農薬を撒く、という手段しか
人間には出来ないのが
あまりに悲し過ぎる現実です。

すべて人間の都合です。
もっと自然に委ねられないもの
でしょうか。

雀はこれほど人間の生活の
近くにいる存在ですが、
絶対に慣れることはない
警戒心の強い鳥です。

ところが最近、
雀が手に乗っている画像を
見かけることがあります。

雀も人間と生活していく中で
都市化が進んでいるのでしょうか?

水墨画で雀を描く/縁起よく

冬になると雀は寒さから
身を守るために膨らみます。

自分で羽毛を膨らませて
空気の層を作るのです。
防寒対策ですね。

このモフモフの丸々した姿が
『福良雀』とか『福来雀』
と書いて富と繁栄を象徴する
縁起物になりました。

水墨画で雀を描く/紋章の雀

歴史ファンならよくご存知。

戦国時代の上杉家と伊達家は
共に“竹に雀”
(仙台笹)の家紋です。

伊達家はある事件がきっかけで
上杉家からこの家紋を譲り受け、
定紋として大切に
使い続けられました。

人気ゲームの『戦国BASARA』にも
イケメン武将の伊達政宗とともに
この家紋が登場しているようです。

政宗の長男が初代藩主を務めた
宇和島藩、伊達家も
同じ家紋(宇和島笹)です。

水墨画で雀を描く/童謡

雀は歌にも登場します。

『雀の学校』
♪チイチイパッパ チイパッパ ~

『すずめのお宿』
♪すずめ すずめ
おやどは どこだ~

『かわいいかくれんぼ』
♪スズメがね お庭で
ちょんちょん かくれんぼ

『宇和島さんさ』(愛媛県民謡)
♪竹に雀の先代様も
ションガイナ ~

小さい頃良く歌いましたね。

こんなに登場するなんて
人気者ですね。

水墨画で雀を描く/ことわざ

では最後に、
雀を含んだことわざや慣用句を
いくつか挙げてみます。

「竹に雀」
取り合わせのよいもの

「雀百まで踊り忘れず」
小さい時に身についた習慣は
歳をとっても改まりにくい

「雀の涙」
ごく僅かなもののたとえ

「雀の糠喜び」
喜んだと思ったら当てが外れた

まとめ

いかがでしたか?

今回は雀をパーツに分けて
描いてみました。

身近で観察出来る小鳥です。

是非、日頃のお稽古の
参考になさってください。

1.簡単雀の描き方
2.難し目の雀の描き方
3.観察や描くための雀豆知識

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ABOUT US

はじめまして 水墨画作家のCHIKAです。水墨画を独学で学んだ経験を活かし、全くの独学でも楽しめる方法を日々trial and errorで実践中。“変化・継承する素晴らしさを自然から学びたい”思いで里山暮らしを体験中。野鳥好き・猫好き。アクリル画にも挑戦中。京都生まれ