こんにちは 水墨画家のCHIKAです。
花を見分ける際に
葉っぱを観察するとよくわかる
草花があります。
描く時にも葉っぱを特徴付けると
花がより際立ちますね。
今回はたった二筆で描ける
椿の葉っぱを基本形として
その応用もいくつかご紹介
したいと思います。
目次
【水墨画描き方】椿の葉が基本
椿は日本人に愛されてる花で
ジャンルを問わず人気の
モチーフですね。
水墨画では肉厚でつやつやした
椿の葉っぱを没骨法で、
たった二筆で表現します。
これが描けることで
いろいろな葉っぱに
応用出来ます。
【水墨画描き方】二筆で描く①
二筆で描くだけなのですが、
筆運びによって描き方に
違いが出てきます。
<ポイント>
- 没骨法
面で描く - 三墨法
一筆に濃・中・淡を含ませる - 筆の運び方
直筆と側筆
まずは描き方の流れです。
- 起筆は筆管を垂直に立てて直筆で入る。
- やや筆を倒しながら側筆で
葉っぱの面を作る。
- 葉先に向かいながら徐々に
筆管を立ててスッと抜くように
筆を持ち上げる。
- もう片方は葉の外側を
筆先が通って
葉先をまとめます。
【水墨画描き方】二筆で描く②
椿らしいつやのある肉厚の
葉っぱが表現出来ましたね。
最初は滲みの少ない紙で
ゆっくり筆の動きを確認しながら
形を作っていくと良いと思います。
適度な滲みがあります。
【水墨画描き方】運筆に慣れる
筆の運び方によって
ちょっと残念な形になる場合も
あるかもしれません。
★中心が開いてしまう
★中心の葉脈がゆがむ
筆先を湾曲に動かし過ぎて
いるかもしれません。
側筆で倒した時も筆先は
中心を通るように引き
下ろしてみましょう。
★葉先がまとまらない
葉先へいくほどゆっくりと
筆管を垂直に戻しながら
穂先がまとまるように
筆を持ち上げていきましょう。
特に二筆目の筆先が葉先に
向かうところに注目して!
軽く持った筆で内側に
向くようにわずかに回転させて
側筆から直筆へと筆を
持っていきます。
動画で確認してみてください。
【水墨画描き方】描く前にチェック
ここまでのことを
気を付けてもまだなんとなく
形に納得いかない方も
いらっしゃるかもしれません。
どうしても恰好が取りにくい
場合は次のことを意識して
みてください。
- 筆の持ち方
力が入ってませんか?
軽く軽く持ちましょう。 - 紙を変えてみる
滲みが少ない紙でゆっくりと
動きを確認してみましょう。
【水墨画描き方】向きを変える
一輪の花を描くときも
葉っぱは必ずしも同じ
方向ばかりではないはずです。
理想は360度
どの向きでも描けることです。
無理のないお手本から始めて
いろいろな向きで描く
方法を工夫していきましょう。
動画では逆筆でも描いてます。
裏葉の見える葉っぱは
淡墨から描く場合が多いですが
動画では濃墨から描いてます。
【水墨画描き方】パターン
椿の葉っぱのような葉の付き方を
「互生ごせい」(一つの節に一つの葉)
と呼ぶそうです。
次に挙げる草花も
葉っぱの付き方は互生です。
【水墨画描き方】桜
葉先を少し尖らせて
ふっくら目に描きます。
葉の周囲はギザギザです。
葉脈を葉からはみ出させて
表現したりします。
【水墨画描き方】山茶花
特に描くときに違いは
ありませんが実際は椿より
小ぶりの葉っぱです。
【水墨画描き方】茶花
茶席の花ではなくて
お茶の木に咲く花のことです。
新芽の部分を少し細目に
描きましたが(上の画像)
花と一緒に描く時は
細長めの椿の葉の要領です。
【水墨画描き方】水引草
花が小さく可憐なので
葉っぱは濃淡で描き分けると
面白いと思います。
実際にはタデ科特有の
矢印模様や斑入りがあります。
【水墨画描き方】薔薇
椿の要領で3枚5枚の
小ぶりの葉を組み合わせます。
葉っぱから葉脈を
はみ出させてギザギザ感を
出すこともあります。
【水墨画描き方】朝顔
椿の葉っぱに両肩を付けます。
両肩の葉っぱもそれぞれ
小ぶりの椿の葉っぱで、
合計3枚の葉っぱを描く要領
になります。
葉先は少し尖りぎみです。
葉っぱは茎に互い違いに
付くので互生です。
【水墨画描き方】紫陽花
紫陽花も椿の葉っぱの要領で
描きます。
半乾きの時に葉脈をしっかり
入れるとより紫陽花らしく
なります。
葉っぱは向かい合わせに
付きます(対生)
その他にも身近な植物で
二筆で描ける葉っぱを
探してみてください。
【水墨画描き方】葉脈
葉脈を入れる入れないの
決まり事があるわけでは
ありません。
椿や石楠花など葉っぱが
肉厚のものには葉脈を
描き入れない場合があります。
桜や紫陽花など
葉脈をしっかり入れて
特徴を際立たせる草花も
あります。
葉脈を入れるタイミングが
あります。
葉っぱを描いたあと、
半乾きのタイミングで
描き入れると馴染みます。
まとめ
いかがでしたか?
今回は二筆で描く葉っぱの
基本の描き方をについて
書いてみました。
なかなか特徴を掴んで描くのは
難しいですが、脇役の葉っぱが
しっかり描けると画もさらに
素敵になります。
日頃のお稽古にお役に立てれば
嬉しい限りです。
・パターンを覚えて応用する
・葉脈を入れるタイミング